家の傾きを直すために必要な費用

家の傾きを直す工事は、工法によって作業期間、費用、今後の沈下に耐えうる強度などが異なります。一般的には高価・長期間になるほど丈夫でがっしり支える工事となるので、出せる金額と希望する強度のすりあわせを行って、納得のいく工法を選んでください。

家の傾きを直す工事に必要な費用相場は？

家の傾きを直す工事は200万円～1,000万円程度かかります。不同沈下(地盤沈下)や白アリ被害・腐食など、家の傾きの原因や不同沈下(地盤沈下)の修正・地盤改良の工事など、必要な対処方法も変わってくるため、ここでは工法別に住宅の傾き改善・改修費用を紹介します。

工法別コスト比較

工事費は建坪15～20坪、総2階建ての場合で計算しています。費用にばらつきがあるのは、各家によって地盤の条件や必要な素材の量、人員数などが異なってくるためです。実際の工事費用は、信頼できる業者に見積もりをお願いしましょう。

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プッシュアップ工法による家の傾き修正費用

費用目安は200万円～300万円。この方法はジャッキアップ工法とも呼ばれ、家の下に設置した油圧ジャッキで家を持ち上げて、モルタルや鋼板で隙間を埋め固めて傾きを直す方法です。比較的工期も短く安く傾きを直せる一方で、根本的な原因を解決する方法でないため、再度家が傾く恐れがあります。

硬質ウレタン注入工法による家の傾き修正費用

費用目安は350万円～600万円。ベタ基礎にのみ使用できる工法で、家の基礎下にウレタン樹脂を注入することで、沈下した家を持ち上げて傾きを直すというものです。地盤に傾きの原因がある場合や傾きの範囲が大きい場合にはあまり向いていないものの、こちらも工期を短く済ませることが可能です。

液剤注入工法による家の傾き修正費用

費用目安は300万円～600万円。水ガラスや無収縮モルタル（グラウト材）を使用し、沈下の原因となっている軟弱地盤・液状化地盤に液剤を流し込み、固めることで地盤を強化する工法です。工期は短いものの、業者によって対応方法が異なる工法のため依頼先には注意が必要です。

耐圧板工法による家の傾き修正費用

費用目安は500万円～700万円。基礎の下を掘削したうえで、耐圧板を設置しジャッキアップする耐圧板工法。軟弱地盤・液状化地盤の場合、再度家が傾いていく可能性もあるため、地盤改良が必要です。

アンダーピニング工法による家の傾き修正費用

費用目安は600万円～1,000万円。ビルやマンションといった大規模の建造物に対する沈下修正工事でも使用される工法。費用も工期も他の工法に比べてかかるものの、地盤の状態に影響されず、再沈下の可能性も抑えられます。

家の状態・予算に合わせて工法を考える

見ていただいて分かるとおり、費用が安いものは地震による液状化や家の重みで再び沈下する可能性が高く、高い工事費用を払っても不安が残ります。逆に、工事費用が高くなるほどしっかりジャッキアップをして家を持ち上げ、金属などのしっかりした素材で支えるため、安心感は高くなります。

硬質ウレタン注入工法などの、地中に何かを注入して家の高さを調整する方法は、工事の際に壊すところも最小限で済み、手軽なように見えます。

が、少なからず「賭け」的な要素が含まれています。注入した先の状態が確認できないわけですから、どのぐらい注入すれば何mm持ち上がる、というのは未知数。職人の経験に基づく「勘」が頼りなのです。

家の傾きはミリ単位でも体に影響が出てくるため、これらの大雑把な工法はあまりオススメできません。

その点、耐圧板工法やアンダーピニング工法のように、地中に杭や支えを下ろしてジャッキアップをしていく工法ならばミリ単位の調整も容易。

耐震強度の補填にも一役買っており、大きな地震が起こった際にも地面にぽんと置かれただけの住宅より安定し、倒壊する可能性も低くなります。今の家にずっと安心して住み続けたいのであれば、なるべく家が頑丈になるような工法を選びましょう。

ただ、予算に合わせて選びたいのが本音です。液剤注入工法など、薬剤の種類が細かく分けられていて地盤に合わせた臨機応変な対応ができる工法もあります。施工する会社によっては、十分に耐久性を持たせてくれるので、工法について聞いてみると良いでしょう。

「家の傾きを直す工法」ページでは沈下修正工事をオススメ度順に解説していますので、あわせてご覧ください！